社長の雑談 第5回

自動車のオイルというと一般的にエンジンオイルを指し、主に潤滑を目的としています。他に「ブレーキオイル」「オートマチックオイル」などありますが、これらはフルード(流体)といい主に動力や力の伝達に使用されています。ここではエンジンオイルについてお話しましょう。

エンジンオイルの基本作用については次の六つの作用があります。

1. 回転部分や摺動部分に油膜を張り動きをスムースにする「潤滑作用」

2. オイルの循環によりエンジン内の熱を吸収放熱する「冷却作用」

3. ピストンとシリンダーの隙間に油膜を張り燃焼室内のガスが漏れないようにする「密封作用」

4. エンジン内部のスラッジなどの汚れを洗い落し内部をクリーンに保つ「清浄作用」

5. 水分や有害ガスによる錆や腐食からエンジン内部を守る「防錆作用」

6. エンジンの回転運動や往復運動による衝撃を油膜のクッションにより拡散し和らげる「緩衝作用

エンジンオイルは製造方法により「鉱物油」「部分合成油」「化学合成油」などの種類があり、性能や用途によって「SJ級」・「SL級」・「SM級」・「SN級」などに分類されます。他に「粘度による分類があり「SAE 5W-30」とか「SAE 0W-20」などと表示されます。「SAE 5W-30」などの表示についてはSAEは「オイルの粘度を規定する規格」、5Wは「低温始動時の粘度」、30は「高温高負荷時の粘度」を表します。「粘度」はエンジンの温度によって変化しますので、低温始動時には硬く、高温高負荷時にはサラサラになります。よって低燃費エンジンとかターボ高出力エンジンとかエンジンの構造によっても使い分けなければなりません。

エンジンオイルは「クルマの血液」とも言われます。オイルが汚れることによって異音がしたり、オーバーヒートしたり、燃費が悪くなったりいろいろな弊害が出て来ます。人間には血液をキレイにしたり、新しい血液を造る機能が備わっていますがエンジンにはありません。よって定期的にオイルを交換しなければなりません。交換は取扱説明書を見て自分でするのもいいですが、そのクルマをよく知っている最寄りのサービス工場にお願いすることをお勧めします。では今回はこれまで。